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3戦目 〜試合巧者〜

from 宮城哲郎

前回の記事はこちら→ コチラ

 

一日のオフを経ての第三戦。

相手は中国代表の廣州海印というチーム。

 

企業チームとしての参戦なのだが、

元中国代表選手も多数所属しておりレベルは高いチーム。

 

ただ、中国のサッカー事情なのかどうかは不明だが、

若い選手ではなくベテラン勢で構成されたチームだ。

 

企業のチームとしてサッカーが出来るのは、

若い頃に実績をあげた限られた人材だそうで。

 

そういう意味でも、

文化の違いなども垣間見えた瞬間だった。

 

ただ、これまでのスピードとパワーという特色から、

一気に狡猾なチームを相手にする事になったので、

僕としてもかなり警戒心を持って準備に入った。

 

実際に、彼らの過去の試合を見たのだが、

正直、「こんなに上手いのか?」と思うようなプレーの連続で。

 

テレビ等で観る中国の代表チームの印象だと、

パワフルなスタイルなのかと思っていたのだが、

 

蓋をあけると、

一人一人が高い技術を持っている事もわかった。

 

ただ、それでも今回の試合でコチラに分があった事は、

台湾の暑さに加え、試合時間も昼間の時間帯であったことだ。

 

何もしないで立っていても汗が吹き出るような気温であり、

そういうコンディションであるならば、

 

若い選手も多いうちのチームは、

その強みを全面に出すようなサッカーをする必要があると考えた。

 

そういった面からも、メンバーの何人かを入れ替えて、

フレッシュなチームで戦う事を決意し、

 

試合前のミーティングでは、

「前半からとにかく相手を動かすようなプレーを選択する事」

その指示を選手達には与えた。

 

こうして、強豪との第三戦が始まる。

 

攻めあぐねる試合展開

 

分かっていた事とは言え、

さすがに相手の試合運びは巧みだった。

 

こちらがボールを動かしても、取りに来る事はなく、

むしろ、コンパクトな陣形を作りながら我々の攻撃をじっと待った。

 

要所でしっかりとボールを奪い、

そこから前線にボールを送り個で打開する。

 

そうしたカウンター攻撃に、

徐々にうちも慎重にならざるえなかった。

 

こうなると、次にこちらが考えるのは、

いかにして相手を誘い出すのか?という事なのだが。

 

そこで、ボールを自由に持たせてもらっている、

中盤のボランチの選手達に対して、

 

「とにかくボールを持ったら距離があってもシュートを!」

そういう指示を出した。

 

さすがにシュートが枠内に飛んだら、

DF陣も良い気はしないだろうと思ったからだ。

 

すると、この作戦が功を奏したのか、

見事に背番号14の赤嶺のロングシュートが決まる。

 

貴重な先制点をうちが取ったのだ。

 

「これで、この試合はうちのペースだ。」

そう思ったのも束の間、さすがにそう思う様にはいかなかった。

 

先制点を奪った後、

相手チームは攻撃の枚数を増やす事を選択肢。

 

ボールを奪ってからのカウンター主体から、

サイドにボールを集めて得点を奪うという戦い方に変えてきた。

 

この変更に対して、うちが対応する間もなく、

すかさずサイドから中央を破られて同点を許してしまったのだ。

 

得点を奪った後に失点をするという経験は、

これまでにも多くあったのだが。

 

言葉が見つからないが、本当にその数分間、

まるで「別のチーム」だと思うぐらいのサッカーをしてきたのだ。

 

サッカーを長くしていると、色々なチームのやり方があり、

そして色々なタイプの指導者がいて、色々な戦術や戦い方がある。

 

選手達は、対戦相手や自分達のコンディションなど、

様々なシチュエーションに応じて、戦い方を変化させる必要があるのだが。

 

こうも見事に、試合展開の中で、

自分達のプレーを変えていける様を目の当たりにして物凄く驚いた。

 

その後、またすぐに試合開始の様に、

のらりくらりとしたペースのサッカーに切り替えられ、

ただいたずらに時間だけが過ぎていき前半は終了した。

 

この経験豊富な選手達を相手に、

一番驚いたのは若い選手達だろう。

 

ある選手がハーフタイムで僕に言った、

「サッカー脳って本当に大事なんですね?」

 

その一言が、この前半戦を象徴していたのだろう。

 

ただ、そうは言っても感心ばかりもしていられない。

 

勝負に勝つ為に、我々が次にどのような手をうつべきか?

失点から学んだ事を活かす為にも、後半の戦い方が問われるのだった。

 

 

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