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どこまで考えてゲームプランを遂行するのか?

from 宮城哲郎

前回の記事はこちら → 3戦目、試合巧者

 

この試合の前半は、試合巧者の相手に対して、

攻めあぐねる展開に終始してしなった我らが琉球代表。

 

相手チームが時折見せる、鋭いカウンター攻撃は、

いつ失点してもおかしくない様な場面を次々と作られており、

 

後半、どちらが先に先取点を奪うかで、

ゲームの展開が大きく変わる様なシュチュエーションだった。

 

そうした状況から、

後半戦のチームの戦い方を考える必要があった。

 

欲求不満の選手達

すでに大会の3試合目を迎えている中、

試合に出場していない数名の選手たちは不満を抱えていた。

 

もちろん、僕自身も選手としての経験は彼等よりも長いので、

試合に出れない状態というのが「精神的にもシンドイ」のは理解は出来ていた。

 

こうした状況を放っておくのは、

正直、チーム状態としてはマイナスでしかないのも承知。

 

そこで、この試合からは、

メンバーの多くを変更するという策に出ていた。

 

もちろん、こうした短期決戦において、

僕としては誰がレギュラーであるというような考えは全く無かったのだが。

 

選手という生き物は、そのあたりは凄く敏感だ。

 

「誰が、どれぐらい試合に出ているのか?」

 

そうした事を基準に、

自分自身のチームでの立ち位置を気にするのも仕方がないだろう。

 

そうした事を踏まえて、

スカウティングチームの情報が入った瞬間から、

 

どの選手が、どの試合で、

どの様な役割を担うかは決めてあった。

 

そして、この試合では、その対策が大きく実を結ぶ結果になる。

 

高さ勝負

この試合は、物凄い暑さでの試合だった。

 

そんな中、前半終了間際から、

明らかに相手チームの足が止まりかけていたのだ。

 

大会前のスケジュールをもらった際にも、昼間に開催される試合に関しては、

暑さの中での試合を覚悟しないといけないのは承知だったので。

 

その時間帯での試合は、

基本的にフィジカル的にもイケる選手を送り出す計画だった。

 

加えて、この試合に関しては、

先に向こうの方が足が止まっていたこともあり。

 

今後の順位を占う上でも、

できるだけ得点を奪って試合に勝ちたいという想いで、

後半は一気に勝負を仕掛ける事を決意。

 

具体的には。

 

両サイドバックに対しては、

攻撃の度に、前のポジションの選手を追い越す事を指示。

 

その両サイドバックを活かすために、

サイドハーフの選手達には、どんどん中央に進出していって、

ドリブルやワンツーなどの手段でゴールに迫る事を指示。

 

中央に相手を集めながら、

サイドを深く崩すという事を目的に攻撃を展開した。

 

センターフォワードには、194センチのある大型FW、

背番号19の矢野がいたので徹底的に彼のいる、

ペナルティエリアでの勝負を仕掛ける事にしたのだ。

 

すると、後半の開始早々から、

その矢野がゴールを決めて待望の追加点を奪う事に成功。

 

これで一気に足が止まったのか、その後もうちのペースが続き、

さらに、もう一点追加点を奪う事にも成功した。

 

ほぼ、試合の結果も決まりかけてくると、

次に考えなくてはいけないのは「無事に試合を終わらせる」事だ。

 

試合が進むにつれて、この暑いコンディションのせいか、

両チームともに不用意なフォールが目立ち始めたのだ。

 

うちのチームとしては不用意なカードを貰うわけにはいかないのだが、

それ以上に警戒したのは、相手選手の激しいタックルだ。

 

まだ、残り2試合とタフなゲームが続く中、

怪我で選手を欠くのは避けたい。

 

そんな思いとは裏腹に若い選手達は、

ガンガン勝負を仕掛けてしまい苛立つ相手のタックルを受ける始末。

 

そうした状況を変えるために、最後に下した決断は、

僕自身が出場するという選択だ。

 

正直、他の選手達を使いたかった事もあったのだが、

残りの2試合の事を考えると仕方がないと判断。

 

ゲームを終わらせるという事を目的に、

試合に出場する事にした。

 

後になって感慨深いものがあったのだが、

正直、こうしてグランドに立つという事には大きな責任を感じたものだ。

 

アキレス腱を断裂してしまい、サッカーがまともに出来ない状況から、

この様な激しいゲームを味わえる喜びを得る。

 

本当に、色々な物に対して感謝をしたし、

貴重な時間を楽しもうと思ってコートに入った。

 

もちろん、感傷に浸る時間なんか与えてはくれるわけもなく、

僕は即座に目的を遂行する。

 

中央のポジションに陣取り、

攻め急ぐチームメートに対してパスを受け取り、

右に左にボールを動かしながら相手選手達を動かす。

 

横にボールが動くという事は、

一体どういう状況を相手に起こせるのか?

 

それは、相手にとっては、

ただ待っていてもボールが飛んでくる「縦への攻撃」とは違い。

 

自分達が、今いるポジションを崩してでも、

前に出なくてはボールを奪えないという状況を生み出す事。

 

大会の連戦の中、そして連日続く暑さの中、

負けている状況で、更に走らないといけないという心理的な辛さ。

 

若い選手ならまだしも、ベテランが多いチームには、

相当シンドイ状況がそこに生まれる。

 

なぜなら、今までの様に相手が来るのを待って、

カウンターを仕掛けるという戦術が使えないからだ。

 

若い選手達に常々言っていた、

「徹底的に、そして相手にとって一番やられたくない事をする」

 

言葉にすると抽象的だが、こうした場面に遭遇して初めて経験できる事を、

今回はチームとして経験できたのが大きかった。

 

その後、相手のオウンゴールで更に1点を追加し、

そのまま試合は終了。

 

ケガ人も出ず、その上で全選手を試合に出す事にも成功し、

しかも3連勝という事でチームにも勢いがつくという結果。

 

正直、ここからは「優勝」という言葉も浮かんできたが、

まだまだ混戦状態だった事もあり、気持ちを切り替えて次節に望む事にしたのだった。

 

 

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